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都市の記憶

昨日からクラスの行事で別な都市に居る。私は大学に入る前にここに住んでいた。その時から仲の良かった友達の家に泊まらせてもらっていて、ありがたいし久しぶりに会えて嬉しい。

友達の家に泊まると常に一緒に行動することが多々ある。それも楽しいけど、この友達の家ではそれぞれ個人の作業時間が発生したり、私が寝っ転がって話しかけている時に友達がギターを弾いていたり(上手くて普通に音楽を流していると思った)とかなり自由。私も勝手に漫画を読んで寝落ちしてしまうくらいくつろがせてもらっている。

 

新しいヘアアクセサリーが欲しくて日中は1人で少しだけ街をふらついていた。前に住んでいたのはもう4年くらい前のことで、それからは大体年2〜3回くらいの頻度で来るかどうか。土地勘のようなものはすっかり消えかかっていて、どこへ行くにも乗り換え案内を見てしまう。

でもふと入った建物の埃っぽさとか、古着屋さんの匂いと大音量でかかるテクノとか、交差点の信号待ちで知人から伝えられた気持ちとか、自分が知覚する情報が次々と当時の記憶の一部を呼び起こした。

その時の自分は今よりもメランコリーで、自分の記憶のはずなのになんだか違う人の生活をなぞっているような不思議な感覚だった。

 

ここでは友達に会えたり色々な物を見れて楽しいけど、もう既に少しだけ、今住んでいるところや人々が恋しい。いつか日本に1人で一時帰国したら初日にこっちの国が恋しくなりそう…。