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重力で表現する

今日はクラスの人たちでシアターを観に行った。

学割で無料で観れるの今まで知らなかった…!

 

(技術力はおいといて)バレエと楽器を昔やっていたので、舞台を観るのは結構好き。

本番の張り詰めた空気の中でプロの身体や動きを観られるのがとても嬉しい。五感の栄養を摂取しているような気持ちになる。

 

今日のシアターは前情報全く無しだったけどそれでもおもしろかった。

私たちが普段行っている動きや生活を抽象化したような振りが多くて、でもプロのダンサーたちだからどれも無駄のないしなやかな動きで、そのギャップがおもしろくてしっかり集中して観られた。ダンサーたちがみんなさまざまな場所で同時に別々な動きをしているところがとてもメタ的に感じた。

ドラマなどより台詞が少なく、ほとんど身体の動きで表現するところも感情や出来事を高濃度で伝えているようだった。あとは舞台の小さな小道具でストーリーの時間の経過や状況を間接的に伝えるところなどハイコンテクストな部分もおもしろくて、『どこの言語かは分かるけど何話してるか分からない、でも内容がなんとなく分かる』みたいなのの体験を思い起こした。

 

私は『自分が今この静かな場所で叫んだら、変な動きをしたらどうなるだろう』とたまに病院などのパブリックなスペースで思う(もちろん実行はしない)んだけど、それを表すような、と同時にゲームのバグのようなシーンもあって、自分の思考が舞台に現れたような勘違いができたのもおもしろかった。

唯一あった英語のセリフでは「You see through texture of skin, I see through texture of skin…」と続くラインが最近自分が感じていることのその先のことだったのでびっくりした。

 

あとはセットがだんだん傾いていって、家具や人々がその重力で部屋の片隅にぐちゃっとなるシーンで親密な2人だけ踊っている=2人だけの世界を表している?ところとかもかなりグッときた。

重力を無視するような動きが綺麗だなと思ってダンスを観ていた終盤にそんなシーンがあるんだからすごいよ。

全く飽きずに2時間観ていた。

 

こういう自分の思考の様々な部位とリンクするものを観れた時、すごく清々しい気持ちになる。

今日見たものをもう少しじっくり消化したい。